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こどもたちの口と歯の質問箱

中学生高校生

歯みがき・むし歯予防

  • Q.歯医者さんに行くと、糸ようじ(デンタルフロス)がとても大事といわれます。大事な理由を教えて下さい。

    A.毎日の歯みがきで、歯ブラシだけではみがけない所があります。歯と歯の間や、歯並びが悪く、凸凹になった場所には、歯ブラシの毛先が入らないので糸ようじ(デンタルフロス)を使ってきれいによごれをとります。とくにこの様なところは、むし歯になりやすい場所であることと、歯肉炎の原因にもなりますので、ぜひ歯ブラシ以外に糸ようじ(デンタルフロス)も使用することを、お勧めします。

  • Q.フッ化物塗布は、何歳位まで行うのが良いですか?

    A.フッ化物は中学卒業まで塗布を行いたいものです。これはフッ化物が生えた直後の歯への取り込み量が多く、数年間フッ化物の取り込みが期待できます。すなわち第二大臼歯が12歳頃に生えてきますので、その後数年間は塗布したほうが良いからです。ただし、日常の歯磨きには、フッ化物入り歯磨剤を使い続けて下さい。一生歯を守ります。歯の萌出は個人差がありますので小児歯科の専門医に相談してください。

  • Q.一生懸命、歯をみがいているのですが、時々、歯ぐきの所が、冷たい水などでしみます。むし歯があるようではないのですが、どのようにすれば良いですか?

    A.それは歯の表面のエナメル質が磨り減ってその内側の象牙質がむき出しになったり、歯肉が退縮して下がり根の表面のセメント質という神経が入っている組織が露出しているためです。これは,歯の磨き方で、さらに、露出してしまい、知覚過敏という現象をおこしてしまいます。まず,歯みがきの仕方ですが、歯ブラシの脇腹を歯と平行にあて、歯ぐきの上から回転させながら磨く方法(ローリング法)、または、歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に45°の角度にあて細かく(5㎜程度)前後に動かして磨く方法(バス法)をおすすめします。いずれも軽い力でていねいにみがくようにしましょう。歯ブラシの毛の硬さは、柔らかめにしてください。みがき方も自分では分からないうちに、間違っていることもあります。一生懸命のブラッシングの中に原因があるときもありますので、歯科医院で正しいみがき方を習うといいでしょう。また、しみ方がかなりひどい場合は、しみる部分に塗るお薬もありますので、かかりつけの歯科医師を受診しましょう。

むし歯

  • Q.歯に穴があいていないし、痛くもないのに大きなむし歯があるといわれましたが、どうしてむし歯と分かるのですか。また、そのようなむし歯にならない方法はないですか。

    A.歯と歯の間にむし歯ができることがあります。これは見た目ではなかなか分かりませんが、専用の鏡でみたり、エックス線写真を撮ると、すぐに確認できます。予防するためには、歯と歯の間を糸ようじ(デンタルフロス)を使って掃除をすることが大事です。歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れは、完全には取れません。また、ジュースや清涼飲料水などを飲みすぎるとこのようなむし歯ができやすくなります。水分摂取はお茶か水にしましょう。

歯ならび・かみ合わせ・癖・顎関節

  • Q.歯並びやかみ合わせが悪いと肩こりや記憶力に影響すると言われますが本当ですか。

    A.特に下のあごは身体のバランスを保つ役割もしているといわれています。歯並びやかみ合わせが悪いと、あごにもずれが生じることがあり、これがさらに身体のバランスに影響し、身体のずれへとつながります。このように、かみ合わせが悪いと全身に様々な影響を及ぼす可能性があり、肩こりのような症状が生じたりすることが考えられます。また、物をかむと脳の一部が活性化されるといわれています。この活性化が記憶力にも影響するのではないかといわれており、かみ合わせが悪いと脳の活性にも不具合が生じる可能性があると思われますが、まだ科学的根拠がそれほどあるわけではありません。

  • Q.スポーツ選手は、歯が大事といわれます。それはより強い力を必要とするスポーツが多いからだと思いますが、より強い力を得るためには、歯がどのようであれば良いのでしょうか。

    A.力を入れる時には、歯をくいしばって力を出します。歯をくいしばれないと強い力は出せません。くいしばるためには、かみ合わせが良く、健康で丈夫な歯であることが大切です。

  • Q.歯ならびを治してもらっていますが、永久歯を何本か抜かなければならないと言われました。どうして、むし歯でもない歯を抜くのですか。また、抜いて身体や食べ物をかむのに、何か悪い影響はないですか?

    A.あごの大きさと歯の大きさの調和がとれていない場合は歯ならびの凸凹(叢生といいます)がかなり強くなります。そのようなことが将来予想される時や、すでに凸凹が強い場合、歯全体が並ぶためのスペースをつくるために歯を抜きます。普通は、第一小臼歯という歯ならびのちょうど真ん中の歯を抜きます。歯を抜いた後については、きちんと治して上下の歯がかみ合っていれば、悪影響はほとんど無いと思われます。

  • Q.口を開ける時、時々顎が鳴ったり、痛かったり、開けられなくなったりします。原因は、何でしょうか、また、治すにはどうしたら良いでしょうか。

    A.顎関節症の症状です。その原因は、いろいろあるようですが、特に言われていることは、かみ合わせの悪さ、頬杖をついたりする姿勢の悪さ、あごの筋力の弱さ、歯ぎしりや日常的なくいしばり、精神的ストレスなどがあります。治すためには、専門医の診断をうけて原因を除去するような治療が必要です。初期の段階では薬物療法やプラスチック製のスプリントによる治療方法などもありますので、かかりつけ歯科医に相談してみて下さい。

  • Q.受験生です。これまで歯の定期健診を受けてきてむし歯はありませんでした。しかし、奥歯がいきなりしみだし、ついに痛みでかむことができなくなりました。歯科では、ストレスによる歯ぎしりやかみしめで歯にクラック(破折線)が入っていて、神経の治療が必要だと言われました。今後も起きる可能性があると言われたのですが、予防の方法はないでしょうか?

    A.受験などの強いストレスがかかると寝ているときに歯ぎしりやかみしめが起きることがあります。またそれ以前にも歯ぎしりなどがあり、弱っていたところがこの時期に悪化することもあります。強い歯ぎしりやかみしめがあると、朝起きたときに、顎に痛みがあったり、頬に疲れを感じます。歯のすり減りも見られますので、歯科を受診し、歯ぎしり防止用のマウスピースを作成してもらってください。

  • Q.大人の歯がないと言われていましたが、乳歯がぐらぐらで抜かなければならなくなりました。今後は歯のない部分はどうしたらいいでしょうか?

    A.永久歯が先天的に欠如していることが早めにわかっていれば、なるべく乳歯をむし歯にしないようにし、できる限り残しておきます。また歯ならびがでこぼこになるようなケースでは、逆に早めに乳歯を抜いてそのすき間が自然に閉じてくるようにして、その後矯正治療をすることもあります。骨の成長が終わる年齢になれば、インプラント、ブリッジなどの選択肢があります。成長期であれば、欠損部分に入れ歯を使用したり、矯正でかみ合わせを作ったりします。定期的に歯科医院を受診し、経過をみてもらってください。

変色・着色・審美歯科

  • Q.歯を白くする方法に「ホワイトニング」という方法があるとききました。 子どもでもできますか?

    A.「ホワイトニング」は歯科医院で行う方法と、自宅で行う方法があります。どちらの方法も、乳歯や幼若永久歯に対する影響がはっきりしていないので、原則として成人(おおむね18歳以上)が対象となっています。歯を白くするにはマニキュアという方法もありますので、歯科医院に相談してみてください。

  • Q.歯にマニキュアをすることは、歯に対して悪影響はないでしょうか。

    A.歯の表面に光沢をだすために塗るものがありますが、塗るだけではとれてしまうので、歯の表面を一層溶かして(10μm程度)表面を粗造にしてその上から塗ります。しかし、これは、きれいになったように見えますが、やや自然感にかけます。また、時間とともに部分的に脱落する場合もありますので、マニキュア後は定期的な管理を受けましょう。

  • Q.歯の色が黄色い感じがします。磨いてもなかなかとれません。どうしたらよいでしょうか。

    A.歯の着色には、食べ物、嗜好飲料(お茶、コーヒー、紅茶、コーラ)、歯垢などが原因となって歯の表面に付着する外来性着色、歯の形成期に全身的な病気あるいは薬剤の影響、歯の構造的な障害などによる内因性の変色、そして加齢(歳をとれば徐々に変色する)、外傷(歯をぶつけて神経が死んでしまった)などがあります。外来性着色の軽度のものであれば研磨効果の高い歯磨き剤の使用、研磨剤による研磨によって、容易に改善できます。外来性着色の重症なものや内因性の変色には歯を漂白(ホワイトニング)したり、歯の表面を削って人工歯を接着させる方法があります。まず、かかりつけの歯科医を受診して、何が原因で着色しているかみてもらい、適切な処置を受けるようにしましょう。

外傷

  • Q.小学生の時、けがをして上あごの前歯の神経が死んだといわれました。治療はしてもらったのですが色が黒ずんで気になります。どのようにしたら良いでしょうか。

    A.1つの方法として、歯の中に過酸化水素と過ホウ酸ナトリウムという薬剤の混合物を入れる方法があります。また、歯の表面を削って人工歯を接着させる方法や歯の全体を人工歯でかぶせる方法があります。この場合は、二十歳以上になって歯肉の形が定まってから行った方が良いでしょう。

  • Q.スポーツをする時に、口や歯のけがを予防するための装置があるとききました。どのようなものですか。

    A.スポーツ時に歯や周囲組織を保護するための「マウスガード」というものがあります。(マウスピース、マウスプロテクターと呼ばれることもあります。)マウスガードは歯や周囲組織の外傷を予防するだけでなく、頭位の安定や脳震盪の予防にも効果があるとされてます。既製品と、歯科医院で歯型を採って作製するものがあります。顎、歯列、咬合の成長変化はおおむね18歳くらいまで継続し、マウスガードはそれに合わせた適合性と管理が必要になります。既製品は適合が悪い場合がありますので、一度かかりつけの歯医者さんに相談してみて下さい。外傷のために健全な歯が折れて治療を余儀なくされたり、脱落または保存不可能で抜歯となって失われてしまうことは大変残念なことです。ぜひマウスガードを使用して予防をしてください。

  • Q.野球のバットがあたって、歯が抜けました。抜けた歯を持っていけば戻せますか?

    A.抜けた歯は乾燥させないようにし(保存液があればそれに入れる、なければ牛乳などに入れる)すぐに歯科を受診してください。再植し、固定することで、歯を元に戻すことできる場合があります。

軟組織・全身疾患関連

  • Q.何となく口の中が臭う感じがします、何が原因ですか。また、臭いをとるにはどうしたらよいですか。

    A.原因には、歯磨き不十分、歯肉炎、むし歯、口呼吸、唾液の分泌不足等が考えられます。また朝起きて直ぐのときは口臭が強くなります。対策としては、歯磨きを丁寧にする事と、むし歯がある場合には、早めに治療をしましょう。また、殺菌、消臭効果のあるデンタルリンス(うがい剤)や口腔内への口臭防止スプレーもありますので、これを利用してもよいと思います。全身的な疾患(消化器、呼吸器、鼻咽腔疾患、糖尿病等)や、薬を服用している場合が原因の時もありますので、この場合は、その病気を治すことが必要です。 小学校低学年の口臭についての質問も参考にして下さい。

  • Q.上下の前歯の歯ぐきが全体に腫れています。むし歯はありません。原因は何でしょうか?治療方法は?

    A.思春期になると,ホルモンのアンバランスによって,歯ぐきがはれる思春期性歯肉炎というものがあります。さらに、不十分な歯みがきにより、歯垢や歯石がたまって、歯垢中の細菌の内毒素により歯肉に炎症が起き、血管の拡張などにより赤く腫れてきます。治療方針は、まず、その原因となる歯垢を歯みがきによって、取り除くことです。また、歯ぐきのマッサージをすることです。その際の効果的な歯みがきの方法は、歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に45°の角度にあてて細かく(5㎜程度)前後に動かすバス法といわれる方法をおすすめします。そして、柔らかめの歯ブラシを使用して、ていねいに弱い力でみがくことです。また歯石は歯科医院で定期的にとってもらうことが大切です。食生活は、規則正しく、だらだら食べないようにしましょう。市販のデンタルリンスで歯垢の形成をおさえる作用をもつものもあり、それでうがいをするのも効果的で、口の中を清潔に保つことが大切です。また、柔らかい食べ物だけをとらず、歯ごたえのある食品を良くかんでとることをおすすめします。さらに、歯科医院を受診し、その歯肉炎の程度がどのくらいのものなのかを診てもらって、定期的な検査を受けることが大切です。

  • Q.つば(唾液)がいつもネバネバした感じがします。どうすればよいでしょうか?

    A.唾液がネバネバしていると、唾液の働きである食べ物をぬらして、飲み込みやすくしたり、口の中に付着しようとするものを洗い流すことが難しくなります。そのために、歯垢が歯の表面に付きやすく、とれにくくなりますので、歯磨きを食後必ず行い、口の中を常に清潔にすることです。また、しっかり良くかむことにより、唾液の分泌を多くする習慣をつけることも大切です。市販のデンタルリンスでうがいを頻繁にすることも効果的です。

  • Q.しばしば、口内炎ができます。原因は何でしょうか?治療方法は?

    A.粘膜をかんだり、化学薬品などの局所的刺激によるものと風邪で全身の抵抗力が弱ったときや全身的な病気や体調不良、栄養素の欠乏、精神的ストレスが原因でできることもあります。また、できやすい体質もあります。治療方法は、痛い時には、塗り薬がありますので、歯科医院や薬局で買い求めてつけて下さい。また、歯磨きや洗口を十分に行って、口の中を清潔にすること、普段の食事をバランスよく食べることです。そして、全身的な病気などが原因であれば主治医に診てもらい、しっかりと病気を治しましょう。

  • Q.いびきがひどく、睡眠時無呼吸症候群かもしれないと言われました。歯科でマウスピースを作成してもらうように言われましたが、どんなものですか?

    A.寝ているときに、舌が落ちこんで気道をふさいでしまうと呼吸しにくくなります。肥満により気道が狭くなっている場合もありますが、下あごを前に出すようなかみ方をすると呼吸しやすくなるため、そのような形のマウスピースを作製します。また、寝方によっても気道閉塞をすることがあります。まくらの高さを変えるなどでよくなることもあります。

食べ物・食べ方

  • Q.クラブ活動後、どうにも甘いものが欲しいのですが、歯医者さんには、むし歯になると言われます。むし歯にならないで甘いものを上手にたべられる方法はないでしょうか?

    A.運動や勉強の後は体や脳が栄養を必要とするため、甘いものがほしくなります。むし歯の原因は食べ物の種類も重要ですが、食べ方によってむし歯を予防することができます。そこでできるだけ砂糖の少ないものを選び、だらだら食いをしないこと、特に食べたらすぐに歯磨きとうがいをすることが重要です。また、最近は、代用甘味料といって、むし歯の原因となる酸をつくりにくいけれども甘い味がする物が入っているおやつ(ガム、チョコレート、キャンディー)がよく売られていますので、それを適度に利用するのも良いと思われます。

歯の萌出

  • Q.高校生ですが、周りの皆が、28本の永久歯が生えているのに、一番奥の永久歯(第二大臼歯)が生えてきません。どうしたらいいですか?

    A.一番奥の永久歯(第二大臼歯)は、11~13歳のうちに生えて来るのが一般的です。歯の萌出は個人差がありますが、高校生だと遅いほうです。歯自体はあるのに歯のでき方が遅く生えないのか、歯の位置異常のため萌出できないのか、または歯自体無い場合もあります。一度、歯医者さんを受診して、エックス線撮影をおこなって、調べてもらいましょう。

  • Q.親知らずが生えてきました。生える時は痛かったのですが、今は痛くありません。抜かなければいけないでしょうか?

    A.生えてくる方向が問題です。親知らずは斜めに生えてきたり、隣の歯に水平に生えてきてぶつかってしまうことが、多々あります。その場合、食べかすがたまり、感染しやすくなったりしますので、今痛くなくても、歯科医院に行って相談した方が良いでしょう。

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